「今さえよければいい」「自分たちさえよければいい」という考え方が広まっている一方で、他者のために尽力する人も多くいるという現状は、現代社会の複雑な側面をよく表していると思います。かつて日本にあった家族や地域、親戚を大切にする共同体的な価値観が希薄になっています。このような社会でどのように生活をすれば良いのか考えてみます。
「今だけ良ければいい」自分だけの時代に、心豊かな老後を生きるヒント
最近、「今さえよければいい」「自分たちさえよければいい」という言葉を耳にすることが増えたように感じます。一方で、人のためにと献身的に尽くす方々も多くいらっしゃり、現代社会の多様な価値観が浮き彫りになっています。
目次
「今だけ良ければいい」「人のためにと尽くす」方の価値観の違い
かつての日本では、家族を大切にし、近所付き合いがあり、親戚を大事にする、といった共同体的な価値観が当たり前でした。しかし、現代ではそうした習慣が薄れていると感じる方も少なくないのではないでしょうか。
なぜ、このような 親子、親戚の絆、近所の絆が希薄な社会になったのでしょうか？そして、私たち高齢者が残りの人生を心豊かに暮らすためには、どう考え、どう行動すべきなのでしょうか。
なぜ、共同体的な価値観は薄れたのか？
この変化には、いくつかの社会的な背景が考えられます。
- 「個」の重視への移行： 経済成長とともに、個人の自由や権利が尊重されるようになりました。これは良い面も多いのですが、結果として集団よりも個人を優先する傾向が強まったと言えるでしょう。
- 都市化と核家族化の進展： 都市への人口集中や核家族化が進んだことで、大家族や地域コミュニティとの日常的な接点が減少しました。これにより、自然と培われていた相互扶助の精神や人間関係が希薄になったと考えられます。
- 経済状況の変化： 終身雇用制度の揺らぎや非正規雇用の増加など、経済的な不安定さが増す中で、自分や家族の生活を守ることに精一杯になり、他者に目を向ける余裕が持ちにくくなっている側面もあるかもしれません。
- 情報化社会の影響： インターネットやSNSの普及は、物理的な距離を超えたつながりを可能にしました。しかしその一方で、リアルな人間関係の構築や維持に時間を割かなくなりがちです。また、情報過多の中で価値観が多様化し、共通の規範意識が薄れることもあります。
心豊かな老後を生きるための心の持ちよう
物質欲や金銭欲は、人間が持つ自然な欲求ですが、それだけに囚われることなく、心の豊かさを追求することが重要です。
- 「足るを知る」心を持つ： 物質的な豊かさだけが幸福ではないと理解し、今あるものに感謝する気持ちを持つことが大切です。身の回りにある小さな幸せに目を向け、日常の中に喜びを見出す練習をしてみませんか。
- 他者とのつながりを大切にする： かつてのような密接な近所付き合いが難しくても、現代には様々なつながりの形があります。趣味のサークルに参加したり、ボランティア活動を始めたり、地域のイベントに顔を出してみるなど、積極的に人との交流を持つことで、新たな喜びや生きがいを見つけられるはずです。
- 学びや挑戦を続ける： 年齢に関わらず、新しいことを学ぶ意欲や、何か新しいことに挑戦する気持ちを持ち続けることは、脳を活性化させ、生活にハリを与えます。資格取得のような大きなことでなくとも、新しい趣味を始めたり、今まで読まなかったジャンルの本を読んでみたりするのも良いでしょう。
- 役割を持つことの重要性： 人は誰かの役に立っていると感じる時に、大きな喜びや充実感を得られます。ご自身の経験や知識を活かして、若い世代に何かを伝えたり、地域活動に貢献したりと、自分にできる範囲で役割を見つけることで、生きがいを感じられるでしょう。
実践するとなると、なかなか難しいことですが、一つの事柄でも繋がりを持てる習慣にしたいですね。
生きがいを求められる社会へ
「高齢での一人暮らしがある中で、何かしらの生きがいを求められる社会になって欲しい」という願いは、多くの方が抱いている切実なものです。そのためには、社会全体で以下のような取り組みが求められます。
- 多世代交流の場の創出： 高齢者と若者、子育て世代など、様々な世代が自然に交流できる機会や場所を増やすことで、お互いの理解を深め、助け合う関係を築くことができます。
- 高齢者の社会参加の促進： 高齢者が長年の経験や知識を活かせるようなボランティア活動やNPO活動、短時間勤務などの機会を増やすことで、高齢者が社会の一員として活躍し続けられる環境を整えることが重要です。
- 地域コミュニティの再構築： 昔ながらの近所付き合いをそのまま再現するのは難しいかもしれませんが、地域の特性に合わせた新しい形のコミュニティ活動を支援し、孤立を防ぐ仕組みづくりが必要です。
- デジタルデバイドの解消： スマートフォンやインターネットの活用は、高齢者の社会参加や情報収集に不可欠です。デジタル機器の利用に不慣れな高齢者向けの講習会などを開催し、デジタルデバイドを解消する取り組みも重要です。
今や、ITの進歩で高齢者でも、AIを使うことで簡単にいろんなことができ、情報が取れるる時代になっています。これらの活用でのSNS繋がりでの楽しみ方があるのかも知れませんね。
「今さえよければいい」「自分たちさえよければいい」という風潮は、現代社会が抱える課題の一つかもしれません。しかし、それでも多くの人が他者を思いやり、社会に貢献したいと考えていることもまた事実です。
心豊かな老後を送るためには、物質的な豊かさだけでなく、人とのつながり、学びや挑戦、そして何らかの役割を持つことが非常に重要です。そして、そのような生きがいを求める高齢者の方々を支え、包摂する社会を築いていくことが、私たち全員に課せられた課題と言えるでしょう。
ぜひ、今できることから少しずつ、心豊かな人生を創造していきましょう。
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